美容皮膚科医まのえいこによる大人にきび、しみ、しわの美容医療

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心と体の変化

日経ヘルス紙面画像
つらい経験をして自分を大切にするようになった 周りに甘えてラクさせてもらってもいいんです

私は楽天的な性格だし、仕事にも熱中していたから、更年期障害なんてないと思いこんでいたんです。それがあんなつらいことになるなんて・・・・。

今から振り返ると始まりは4年前、49歳のころでした。それまでは毎週ゴルフに行っていましたが、少しずつ回数が減り、疲れも残りやすくなりました。ドライアイになり、コンタクトレンズも使えなくなったんです。

その後も声がかすれてしゃべりにくくなったり、相変わらず元気もやる気も出ないので、成長ホルモンなどのホルモン治療を受けてみました。このときの検査では、まだ女性ホルモンは問題ありませんでした。

でも、一向に改善されず、51歳になると状況はいよいよ悪化。1月から3月までの3ヶ月間は、本当に最悪の状態でした。カゼも引いてないのに声が出ない、漬物石を頭の上にドーンと置かれたみたいに頭が痛く、頭痛薬も全く効きません。そして気持ちが落ちこみ、常にザワザワと胸騒ぎがする。熟睡もできず、食欲もなく、テレビを見ても笑えない、興味がなくなる、新聞が読めなくなる、不安で車の運転もできない・・・。大切な約束を2度忘れてしまい、今までにありえない大失敗もしました。

うつに違いない。そう思って抗うつ薬をのみましたが、まったく効果はありません。そこで「もしやこれが更年期障害かな」と。

私にとってホルモン補充療法は、いわば最後の切り札でした。それを初めてのんだ日のことは、今でも鮮明に覚えています。もう30分ごとに頭の中が変わっていくのがわかるのですから。

のんだ後、常に目の前にあった白いベールが少しずつ開いていく感じがはっきりわかりました。モノクロ画面からカラー画面になった感じで、頭の中がスッキリし、つきまとっていた眠気や頭痛、不安感、焦燥感も消失。服用からわずか1時間半後には「生き返った!」という感動と安堵感が。効果は絶大でした。

あの体験以来、考え方も変わりました。今日やることを明日に延ばしてもいいじゃない、周りにも甘えてラクさせてもらってもいいじゃない、と。自分を許せるようになったのです。

それから、やりたいことはやり残しのないよう、プライベートも大切に。今は年に3回の海外旅行をノルマにしているんです。今行かなきゃ、いつ行くの?と(笑)。とてもつらい経験をしましたが、また一つ、患者さんの気持ちがよくわかるようになったことが、医師としては大きな収穫でした。

まのえいこ院長の心と体の変化 漫画でみる更年期体験